2024年10月23日水曜日

 試練を受けるコツ

 聖書の使徒の働き21章を読むたびに、手に汗を握る思いを致します。パウロのことですが、ユダヤ人に受け入れられるために、あなたが律法を守って正しく歩んでいることが分かるよう、ここにいる四人の誓願を立てている者たちと共に身を清め、彼らが頭をそる費用を出してやりなさい、という提案がなされました。

 パウロはこれを受け入れ、清めの期間を終え、その7日間がほとんど終わろうとしていた時のことです。アジヤから来たユダヤ人たちがパウロが宮にいるのを見て、全群衆をあおりたて、パウロに手をかけ叫びました。「この男は、この民と、律法と、この場所に逆らうことを、至る所ですべての人に教えている者です。そのうえ、ギリシヤ人を宮の中に連れ込んで、この神聖な場所をけがしています」。これを聞くと町中が大騒ぎになり、人々は殺到してパウロを捕え、宮の外へ引きずり出し、ただちに宮の門が閉じられました。

 アジヤから来たユダヤ人は、エペソ人トロピモが町でパウロと一緒にいるのを見かけたので、てっきりパウロがこの異邦人を神聖な宮に入れたと誤解したのです。もうあとわずかで、すべてうまくいくというところで、よりによってこんな事件が起こったのです。皆さんにもこんな経験ありませんか。

 教会のある海外宣教チームで起きたことです。飛行機がトルコでトランジットのために着陸すると、そのタイミングで、クーデターが起こりました。大統領が「同志よ。空港に集まれ」と呼びかけたものですから、まさに飛行場はクーデターの舞台となってしまいました。あと少し時間がずれてさえいれば、何も問題なくトランジットを終え成田に飛び立ったか、あるいはトルコに着陸することなく安全な空港へと行先を変えたことでしょう。なのになぜこんな状況に置かれたのか? 私には分かりません。でも、神さまは、こういうことをあえてなされるのです。

 ある時A牧師は、K国の宣教のために空港に向かっていました。ところが途中で、パスポートや現金、チケットの入った鞄を電車に置き忘れてしまいました。つまり渡航できなくなったのです。すぐさま感謝をささげておられましたが、当人にとってはショックだったと思います。けれども、感謝をささげたあたりから、神の手が動き始めます。常識では見つからないはずの鞄が見つかり、しかもパスポートも現金も無事でした。飛行機のチケットも無料で翌日に変更してもらえ、結局1日遅れでK国に着きました。そして、試しがありました。神が「今リコンファームに行きなさい」と語られたのです。それでそう言うと、「まずホテルに行きましょう」と返され、ついにはけんかも辞さない勢いで「リコンファームに行ってください」と言い、押しました。そして、手続き先のホテルで、長い協力関係となるB牧師に出会うのです。それは、まさに神のタイミングでした。

 考えてみれば、起こった事すべてはこのB牧師と出会うことへのサタンの妨害と読むことができるでしょう。であればこれは圧倒的な勝利です。確かに、到着は1日遅れました。しかし、このチームにおける神のみこころはすべて果たし終えたのです。問題が起こった時には取り返しのつかない失敗のように見えました。けれども、脱出の道が用意されすべては益となったのです。

 このように、神さまはあえてあと少しというタイミングで、私たちを困難や試練に落とされることがあります。必ずしもその理由が理解できるとは限りません。それゆえ、試練を上手に受けるコツをお分かちしましょう。それは悪いと思われる出来事を徹底して感謝することです。試練や失敗は祝福の前触れだと信仰に立つことが一番の対処法です。気落ちしてはなりません。すべての道に「神の計画」があるのです。試練を正しく乗り越えれば次の段階が来ます。問題の中にこそ奇跡的な神の介入があるのです。神はそれらを用い、ご栄光を現してくださいます。

「私の兄弟たち。さまざまな試練に会うときは、それをこの上もない喜びと思いなさい。」(ヤコブの手紙1章2節)

MIKOE NEWSから転載」 2024年10月23日、リンク先:https://www.mikoe-news.com/

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