2022年7月13日水曜日

感謝の視点

  物事というのは原石で、それに意味を持たせるのは私たち人間の働きです。人は一つの出来事を良いようにも悪いようにも、自分の好きなように受け取ることができます。それ故、「すべてのことについて感謝しなさい」(テサロニケ人への手紙第一518節)という教えはとても重要です。どんなことでも、悪いことでさえも、感謝の祈りを捧げることによって、私たちは最善のものを受けるからです。

 私の友人のお子さんに、とてもナイーブな息子さんがいます。彼はスポーツに秀でており、大会優勝を目指して合宿に次ぐ合宿の生活を送っていました。まだ中高生です。寝食を共にする中で、空いた時間には仲間同士でじゃれあったり、絡みあったりすることがあるそうです。息子さんは、それについてずっと我慢していました。しかし、その中の1人があまりにもしつこく付きまとうので、ある日、遂に堪忍袋の緒が切れ、とうとう爆発してしまいました。

 これをどう見るかは、人それぞれでしょう。状況を知らない人は反撃にまわった彼に非難の矛先を向けました。なんと乱暴な子だろうと。でも、彼の母である友人と私は、これが彼の非常な忍耐の末に起こったことであることを知っていました。それを理解されることもなく、一方的に悪いとされ「〇〇君、つらかっただろうにね」非難の中で、ポロリとそんな言葉が口を突いて出てきました。そしてまた、この一言に私たちは救われました。人間的な見方では、〇〇君が悪いように見えます。しかし、感謝の視点ではそうでありません。それは、すべてが益となるために、神さまがいと高き知性をもってお働きになられたのです。誰が悪い訳でもないのです。

 人は、問題が起こったら、問題の悪いところしか見ていないものです。しかし、物事は必ず、悪いこともあるなら良いこともあります。同じ出来事でも、プラスにもマイナスにもなるのです。そして、それを必ずプラスに導くのが「感謝」です。

 テモテの手紙第一44節に「神が造られた物はみな良い物で、感謝して受ける時、捨てるべき物は何一つありません」と書かれています。良いと思えることも悪いと思えることも、すべては神が良い物としてお造りになったものであって、感謝して受ける時に、捨てるべき物は一つもありません。そして、すべてが益とされます。だからこそ、私たちは、感謝できないことを取り上げて感謝するということを学ぶのです。

 神は、人の見るように見ず、人がするようにはされません。あらゆる機会で神が持っておられる視点は、人を生かす視点であり、マイナスではなくプラスを生む感謝の視点です。このことを理解するなら、私たちの問題がすでに解決されていることを知り、私たちがいかに神に愛されているかが分かるでしょう。それ故、私たちもまた感謝の視点を持ちましょう。感謝することによってすべては益となり、捨てるべき物は何一つありません。

MIKOE NEWSから転載」 2022年7月13日、リンク先:https://www.mikoe-news.com/

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