2022年5月20日金曜日

ヨベルの年

 旧約聖書に「ヨベルの年」という神様の規定があります。かみ砕いていえば、これは安息のための年であり、この安息こそが大いに意味があるのです。

 神は天地創造の際に6日をかけて天と地とそのすべての万象をお造りになられました。そして第7日目に、なさっていたわざの完成を告げられ、なさっていたすべてのわざを休まれました。神はその第7日目を祝福し、この日を聖であるとされたのです。

 すべてのわざを休むということがいかに重要であるかは、これがモーセの十戒の中の第4戒として取り上げられていることからも伺えます。それは「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ」というもので、「六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。しかし七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはどんな仕事もしてはならない」と書かれています。(出エジプト記20章8~11節)

 同様に、レビ記25章のヨベルの年の規定によれば、6年間畑に種をまき、ぶどう畑の枝を下ろして収穫します。しかし、7年目は、地の全き休みの年、安息の年として一切の農耕を休みます。7年目は地の安息の年となります。そして、この安息の7年目が7巡すると49年になります。この49年の第7の月の10日に、角笛を鳴り響かせるのを合図にヨベルの年が始まります。   

 ヨベルの年は、丁度この50年目の年に当たります。この50年目を聖別し、国中のすべて住民に開放が宣言されます。角笛を聞くなら、民は自分の所有地に、奴隷も自由を得て、各々自分の故郷へと帰らなければなりません。売られた土地に関してはヨベルの年をもって元の所有者に戻され、畑の耕作も禁止されます。6年目の収穫によって、7年目も食べて行ける収穫を神はくださり、ヨベルの年には、2年連続休耕することになりますが最後の6年目に3年間食べていられるほどの収穫が与えられると神は定められました。

 これは、イスラエルが強い国となる土台となっています。まずヨベルの年によってイスラエルの民には奴隷がいなくなります。民は神の前で平等であり、負債を負って売った先祖からの相続地も、ヨベルの年になると元の所有者に戻ります。土地は神のものであり、ヨベルの年までの収穫が値段とされ取引され、決して土地自体が売買されることはありません。また食物のための畑も耕作しない2年の休みを得ることで、大地も休みを得ます。ヨベルの年は、回復、解放、自由の年なのです。

 休むということと、聖なることとは深い関わりがあります。英語で休日を表す「holiday」は、「holy day」(聖なる日)からきており、休日は文字通り主を覚える聖なる日なのです。なぜ休むのかそれは、主だけに、主ご自身に、すべてを集中し仕えるためであると私は思います。主の安息を守るということは、主に仕えるということなのです。主に仕えることを専一になすためにどんな仕事もしないのです。この様に、安息を守ることには意味があり、休みは聖なるものであるのです。この時にこそ神を覚え、神に仕えて参りましょう。

MIKOE NEWSから転載」 2022年5月20日、リンク先:https://www.mikoe-news.com/ 

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