2020年6月20日土曜日

ギデオンの300名

 イスラエルにまだ王がなかった頃、神は士師(裁きつかさ)を起こして、イスラエルを治めておられました。その中の一人がギデオンです。ミデヤン人からイスラエルを救うため、ギデオンは召し出されました。

 その戦いは実にユニークで興味深いです。ミデヤン人の軍隊は13万5000名でした。対するイスラエルは、3万2000人です。およそ4倍ものひらきがあります。当時の戦争は、今のように兵器で勝敗が付くものでなく、人海戦術つまり兵の数によって勝敗がつくものでした。ですから、どう見てもイスラエルには不利な戦いであるように思います。ところが、神は「あなたといっしょにいる民は多すぎるから、私はミデヤン人を彼らの手に渡さない」と語られたのです。イスラエルが『自分の手で自分を救った』といって、わたしに向かって誇るといけないから」というのがその理由です。多すぎるなんて、ミデヤン軍から見ればイスラエルは4分の1です。倒すのは赤子の手をひねるように簡単でしょう。3万2000人は決して多い人数ではありません。しかし、神はギデオンに、「恐れおののく者はみな帰りなさい。ギルアデ山から離れなさい」と告げるように指示します。このことによって、2万2000人が帰って行き、1万人が残りました。

  それでも神は、民はまだ多すぎると言います。「水のところに下って行け、あなたのために彼らをためそう」とギデオンに言いました。下っていくと主は「犬がなめるように、舌で水をなめる者は残らず別にしておき、また、ひざをついて飲む者も残らずそうせよ」と言い、口に手を当てて水をなめた者の数、3百名で、ミデヤン人をあなたの手に渡すと言われたのです。3万2000人でさえも、少ない人数であると思います。しかしそこからわずか1%に満たない300名でミデヤン人13万5000人と戦うのです。勝ち目なんてあるわけないでしょう。

  しかし、これが神の戦いなのです。この後、ギデオンは残った300名を3隊に分け、全員に角笛とからつぼを持たせ、そのつぼの中にたいまつを入れさせました。3隊の者が角笛を吹き鳴らして、つぼを打ち砕き、左手にたいまつを堅く握り、右手に角笛を堅く握って「主の剣、ギデオンの剣だ」と叫び持ち場についたので、ミデヤン人の陣営は混乱し、主は同士討ちが起こるようにされました。その結果、イスラエルは圧倒的な勝利を見たのです。

  ギデオンは神に聞き従いました。それゆえそこから先は、神がはたらかれました。勝ち目のないところに神が介入され、奇跡が起こり、神の栄光と勝利が現されました。その土台となったのは、試しを経て残った300名です。たった300名がミデヤン人13万5000人に打ち勝ったのです。これが神の戦いです。

  主の預言者エリヤはバアルの預言者450人に1人で立ち向かい勝利を得ました。羊飼いダビデは職業戦士ゴリアテに石1つで勝利しました。たった一人であっても神の陣営に立つならそこに勝利があります。人にはできないことであっても、神はどんなことでもおできになるのです。

  ギデオンの300名はいわば底でした。神は軍を最小化させられました。そして、そこから働きが大きく展開していきました。小さくさせられたこと、へりくだることを通して、この戦いは人の手から神の手に移ったのです。

  今、私たちはわずかです。しかし、これから大きく増え広がって行きます。300名を土台として圧倒的な勝利を見て行きます。期待しましょう。
 (イスラエル北野)

MIKOE NEWSから転載」 2020年6月20日、リンク先:https://www.mikoe-news.com/

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