2023年11月8日水曜日

安息

 若い頃から私は、何でもがむしゃらに突き進む人間でした。夜更かしが好きで、休むなんて時間がもったいないといつも思っていましたし、常に何かをしていないと落ち着きませんでした。今でもその傾向があります。でも、随分変えられました。

 聖書を読むうちに、だんだんと分かってきたのは、休むことが奨励されているということです。週に1度の安息日やヨベルの年などで、これらを守ることはとても大切なこととして先祖から受け継ぎ、今も継承されています。ユダヤ人にとって、休むことは怠惰ではなく、休むことは聖なることであるのです。何もしないでいるという安息の期間を持つことは、これから先のことに備えるための大切な営みであるのです。

 先日、ある精神科医が執筆した書物を読みました。生き物には生き残るために組み込まれた大切な機能があるというお話で、たいへん興味をかきたてられました。「桃太郎」では、おじいさんは山にしば刈りに行き、おばあさんは川で洗濯していました。これは、子孫を残すという役割を直接担う女性はより安全な、家のそばで働き、男は食を得るために外に出て働きます。このようにして、人類には生き残りの戦略が自然と働いています。男女の仕事のふるい分けもまた、人類が生き残るための知恵でしょう。他にも、熊は暖かい季節には食を得て活動しますが、食のない冬は、力を温存して生きるために冬眠します。これもまた生き残り戦略が刷り込まれている例だと紹介されていました。

 ここから私も、休むということは人間にとって、これから先を生きるため、また生き残るために備えられている重要な機関(機能)であるのではないかと考えるようになりました。人間もまた、休息期と活動期があります。活動期ばかりが目立ちますが、休むことは、場合によれば働くこと以上に重要なのです。

 というのも、安息することは創世記の始まりから言及されているからです。神は天地創造の際に、6日かけて、天と地とそのすべての万象を完成されました。それらは非常に良かったのです。それで神は第7日目に、なさっていたわざの完成を告げられました。そして、なさっていたすべてのわざを休まれました。そして、その第7日目を祝福し、この日を聖であるとされたのです。

 いかにこの安息が大切か、それは十戒にも取り上げられています。「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。しかし七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはどんな仕事もしてはならない」(出エジプト記20810節)

 神が創造のわざを休まれたことと、その日を聖とされたことには密接な関係があります。この休みというのは私たちが毎日体験している休みとはちょっと異なります。この安息は万物の完成を告げ知らせるものであり、聖なるものであるのです。

 これらのことから、私たちは休むということがいかに大切なもので、聖なるものであるかをうかがい知ることができます。マタイの福音書11章でイエスさまはこう言われました。「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。(中略)わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます」(2829節)

 生きる営みには働くことだけではなく安息が必要です。真の安息は休むことにあり、安息は主イエスの内にあるのです。ですから、あなたもまたイエス・キリストを信じ、イエスさまご自身から安息を学びましょう。 

MIKOE NEWSから転載」 2023年11月8日、リンク先:https://www.mikoe-news.com/

0 件のコメント:

コメントを投稿