2020年1月22日水曜日

思秋期

 ひと昔前までは、還暦を迎えることは長寿の証しでした。仕事を退職し、余生を楽しむ老後の始まりでした。ところが今は、60代でも新規採用される職場がある時代です。
 歌手の森昌子さんは、一昨年の3月に、2度目の引退会見を開き、芸能活動から退くことを報告されました。興味深かったのはその動機です。還暦を迎えたことが大きなポイントになったようで、残された人生、あとどれくらいあるかと真剣に考えるようになったといいます。幼少から今まで自分の時間を使った時が少なく、芸能活動以外に人生を大いに楽しみたい、人生は1度きりですからと、ご自分として一つ区切りをつけたかったというのが引退の理由のようでした。
 近年、世でも「終活」という語が台頭しています。終活とは「終」つまり「死」を意識したもので、その「活」動をいいます。具体的には葬式のためにセレモニーホールと契約したり、より良い、人生の幕引きのための備えを考えたりする男女が増えたということです。
 私は50代半ばの主婦ですが、やはり還暦を意識します。気が付けば人生の折り返し地点をとうに過ぎていて、人生の幕引きに関して考えなければならない所に来ています。
 思えば、人生には、思春期という時代がありました。中、高校生の頃で子どもから大人になるまでの微妙な時期で、私たちは反抗期を通りながら大人に、社会人になっていきました。それを人生の「春」とたとえるなら、還暦に向かうこの時期は「秋」なのです。
 秋は実りであり、思秋期は人生の実りと完成を意味します。人生を完結させる力は私たちではなく神にあります。神によらなければ、本当の人生の実を結ぶことはできません。こういう訳であなたを造られた神を知り、救い主として心にお迎えください。
(イスラエル北野)

み声新聞2019年1月26日号(第1078号)より転載—

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