2019年1月16日水曜日

振り返らずに

 イスラエルの死海を訪れた際、ロトの妻といわれる岩塩の柱を見ました。そのいきさつは創世記19章をお読みください。神がソドムとゴモラを滅ぼそうとした時、御使いはロトを助けようと、「いのちがけで逃げなさい。うしろを振り返ってはいけない」と警告しました。しかしロトの妻は逃げる途中振り返ったので、塩の柱になってしまったというのがその由来です。
 聖書を読んでみると、神さまは、後ろを振り返ることがお嫌いであるようです。例えばイエスさまは、ルカの福音書9章62節で、家族にいとまごいさせてくれと請うた弟子に「だれでも、手を鋤(すき)につけてから、うしろを見る者は、神の国にふさわしくありません」とおっしゃいました。
 また、ピリピ人への手紙3章でパウロはこう語っています。「私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。(中略)ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです」(1214節)
 過去に目を留めると足が止まってしまいます。パウロが語っているように、後ろのものを忘れるということはとても大事なことです。そして、ひたむきに前のものに向かうということはそれ以上に大切です。
 イザヤ書43章にはこのように書かれています。「先の事どもを思い出すな。昔の事どもを考えるな。見よ。わたしは新しい事をする。今、もうそれが起ころうとしている。あなたがたは、それを知らないのか」(1819節)
 あなたの所にも今、確かに新しい事が起ころうとしています。後ろを振りかえらず前へと進む時がやって来たのです。(イスラエル北野)

み声新聞2019年1月20日号(第1025号)より転載—

0 件のコメント:

コメントを投稿