2023年12月14日木曜日

不法の秘密

  86歳になる私の母は、小学生の頃戦争を体験しました。海辺にいたところ、1機の戦闘機から攻撃を受けました。浜辺に打ち上げられた古い船に身を避け難を逃れましたが、その恐怖は今も覚えているようです。母はいわゆる戦中派です。戦争を自身のものとして体験した世代です。そして、残念なことに今はそういった戦争体験者が高齢になって次々に亡くなられておられます。あと何年かで、日本は戦争体験者を失う時代になります。

 そうすると、どうなるでしょうか。戦争の痛みを知らないので、机上の議論だけで恐らく再び戦争に向かってゆくようになるでしょう。傷病者の痛み苦しみを知らず、個人の尊厳が顧みられることなく、人はただ頭数として捉えられ一兵卒として兵役に駆り出されます。既に、ロシアとウクライナは戦時体制に入っており、イスラエルとハマスの戦いも、さらに戦火が拡大する方向へ進んでいます。世界を巻き込んだ大きな戦争も既に想定内のことになっています。

 しかし、恐れないでください。テサロニケ人への手紙第二2章にはこのように書かれています。「すぐに落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしないでください。だれにも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないからです。(中略)不法の秘密はすでに働いています。しかし今は引き止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き止めているのです」(237節)

 不法の人、滅びの子とは、反キリストのことです。今はまだ引き止める者があって公には出現していません。しかし、やがて遅からずその人物は現れ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。サタンの働きにより、あらゆる偽りの力、しるし、不思議がそれに伴い、彼は絶大な人気を誇るでしょう。

 しかし、これらのことが起こったなら、私たちは信仰のともしびを整え、主が戸口まで来られたことを知らなければなりません。反キリストは激しくクリスチャンを迫害します。その迫害は、今までにないような残虐なものとなるでしょう。しかし、主は御口の息をもって彼(反キリスト)を殺し、来臨の輝きをもって滅ぼしてしまわれる(8節)と約束されています。

 また、ペテロの手紙第二では「しかし、主の日は、盗人のようにやって来ます。その日には、天は大きな響きをたてて消えうせ、天の万象は焼けてくずれ去り、地と地のいろいろなわざは焼き尽くされます」(310節)と書かれています。

 天の万象は火によって焼けくずれ、世は終わりますとありますが、戦争で、核兵器を使用するならまさにその通りになります。主の来られるのはそれほどまでも近いのです。神のことばは成就します。良いことが成就するように、悪いこともまた成就するのです。しかも突如として滅びは襲ってきます。

 私たちは、終わりの時代に生きています。まもなく再び主イエスが来られます。目を覚まして、時を捉え、備えてまいりましょう。世と世のものは終わりますが、ヨハネの黙示録では、新しい天と新しい地が到来することが書かれています。イエス・キリストは王として再び来られます。そこに私たちの希望があるのです。

MIKOE NEWSから転載」 2023年12月14日、リンク先:https://www.mikoe-news.com/

0 件のコメント:

コメントを投稿