2014年5月20日火曜日

マリヤ
 新約聖書には、マリヤという名を持つ3人の女性が登場します。一人は受胎告
知を受けたイエスの母マリヤです。もう一人は、イエスさまのお話に聞 き入っ
ていた、マルタとマリヤ姉妹の妹であるマリヤで、3人目は、イエスさまに七つ
の悪霊を追い出していただいたマグダラのマリヤと呼ばれるマリ ヤです。復活
の主は真っ先に彼女に現れてくださいました。
 カトリックでもマリヤが語られていますが、マリヤを特別な存在にしてしまい
ました。受胎告知を受けたイエスの母マリヤを無原罪のマリヤと呼び、 礼拝の
対象にすらしています。幼少の頃、私は、カトリックの聖母幼稚園に通っていま
したが、教室ごとに安置されている白く大きなマリヤ像が、美し くもなぜかと
ても恐ろしかったことを覚えています。聖書には、イエスの母マリヤが無原罪で
あるとか、礼拝するように、とか書いてある箇所は一つも ありません。
 新約聖書の、イエスの母マリヤはむしろ素晴らしい信仰の人です。ルカの福音
書1章をお読みください。受胎告知の際に、御使いの語る言葉がどうい う意味
なのか、マリヤはよくは分かっていなかったと思います。しかし彼女は御使いに
こう言いました。「ほんとうに、私は主のはしためです。どう ぞ、あなたのお
ことばどおりこの身になりますように」(38節)。
 神のことばの前にへりくだり、「おことばどおりこの身になりますように」と
告白する、ここに彼女の純粋な信仰を見ることができます。そしてこの 信仰こ
そが尊く、また目を留めるべきものであると私は思います。私たちもまた神を知
り、すべてを神に明け渡す、この信仰者マリヤの信仰に習うもの でありましょ
う。 (イスラエル北野)

み声新聞2014年5月25日号(第781号)より転載—

0 件のコメント:

コメントを投稿